web3で資金調達？

web3とは、ブロックチェーン技術を活用し、分散型で運営されるインターネットの新しいスタイルです。
従来のWeb2.0では、プラットフォームを運営する大手企業がデータを管理していましたが、wed3ではユーザー自身がデータを所有し、管理することが可能になります。これにより、中央集権的な管理から解放され、透明性やプライバシーが向上するというメリットがあります。
スマートコントラクトや分散型アプリ（DApps）を活用することで、仲介者なしに取引や契約を実行できます。
その中で、DAO（分散型自律組織）、DeFi（分散型金融）、グラント（助成金）といった資金調達の手法が注目されています。

DAO（分散型自律組織）とは？

DAO（Decentralized Autonomous Organization）は、ブロックチェーン技術を活用した新しい組織形態で、中央管理者なしにスマートコントラクトによって運営されています。

特徴

ガバナンスの透明性：投票や意思決定がブロックチェーン上に記録され、透明性が確保される。
自律的な運営：スマートコントラクトに基づき、ルールに従って自動で運営される。
グローバルな参加：地理的な制約なく誰でも参加可能。

資金調達における活用方法

トークン販売：DAOのガバナンストークンを発行し、投資家に販売することで資金を集める。
クラウドファンディング型DAO：プロジェクトごとに資金を募るDAOを設立。
投資DAO：複数の投資家が資金を出し合い、プロジェクトに投資する。

DAOの成功要因

DAOは分散型の組織として注目されていますが、現実にはいくつかの課題を抱えています。
投票権がトークンの保有量に依存するため、一部の大口保有者（クジラ）が影響力を持ちすぎる傾向にあります。これにより、本来分散的であるべきDAOが、実質的には少数の意見によって支配されてしまうことがあります。

さらに、DAOの運営は創設メンバーやコアチームが主導していることがほとんどです。表向きは分散型を掲げていますが、実際にはこれらの中心的な人物が意思決定をリードしているため、完全な分散とは言えません。こうした問題から、DAOは上辺は魅力的な仕組みですが、実際には「緩やかに分散された管理体制」に過ぎず、完全な分散型組織として機能するのは難しいのが現実です。

優秀なリーダーやチームがいて、初めて有効的な戦略を生み出すことが可能となります。
能力や専門知識を持たない人々が多数集まることで、生産性や意思決定の質が向上するわけではありません。

中央集権組織よりもDAOは「変な人」を排除しにくい？

中央集権組織では経営層やリーダーが競争や政治力などによって選抜されるプロセスを伴います。スキルのない無能な人材や、会社価値を持たない人材などが淘汰されやすいことは否めません。

しかしDAOは誰でも参加できるという特性上、専門知識や判断力が乏しい人が意思決定に関与しやすく、ポピュリズムが起こりやすいという問題があります。トークンを持っていれば誰でも意思決定に関与できるため、知識や経験が乏しい人でも影響力を持てます。特にDAOでは投票による決定が感情的になりやすく、長期的な戦略よりも短期的な人気取りの意思決定が優先されることが少なくありません。