Intel RealSenseカメラは、物体や空間の深度情報をリアルタイムで取得できる3Dセンサー技術を搭載したカメラシリーズです。この技術は、ロボティクス、自動運転、AR/VR、製造業など、幅広い分野で活用されています。
IntelがRealSense技術を開発し始めた背景には、コンピュータの入力方法を進化させるという目標があります。その歴史をたどると、Intelが「3Dセンシング」分野に注力するようになった理由が見えてきます。
自然なインターフェースの追求
IntelはPC市場で長らくプロセッサを中心にリードしてきましたが、ユーザーインターフェース(UI)にも注目していました。キーボードやマウスに加え、音声、ジェスチャー、視覚的なインタラクションを取り入れた次世代のUIが注目されていたことが背景です。
2012年頃、Intelは「Perceptual Computing Initiative」として、ジェスチャー認識や音声認識を組み込んだコンピュータ体験を提案しました。
現在のプロダクトライン
- ステレオカメラ
ステレオカメラシリーズは、2つのカメラを利用して視差を計算し、深度情報を取得する方式を採用しています。赤外線プロジェクターを使用せず、通常の光環境下で高精度な深度データを取得できます。広い範囲での深度測定が可能、屋内外問わず使用可能で、多用途に対応。代表製品: D415, D435, D455

- ステレオ&IR
赤外線プロジェクターを搭載したカメラは、赤外線パターンを投影し、それを赤外線カメラで検出して深度情報を取得します。これにより、テクスチャの少ない物体や暗所での測定が可能になります。

赤外線プロジェクターのメリット
- 暗所での測定が可能
赤外線は可視光に影響されにくいため、暗い環境や夜間でも精度を維持できます。 - テクスチャレスな物体にも対応
表面に明確なパターンがない物体(例: ガラスや白い壁)でも、赤外線パターンを利用して深度を取得できます。 - 動的環境での強み
赤外線プロジェクターは、高速で動く物体や複雑なシーンでの深度測定を補助します。