「月額サブスク」のような形でクリエイターや開発者を継続的に支援してもらえるサービスがあります。KickstarterやIndiegogoが“完成品”や“プロジェクトの実現”をゴールに設定して資金集めをするのに対し、パトロンサイトは「製作過程を公開しながら、ファンや支援者から継続的に資金を提供してもらう」という性格があります。
3DスキャナーやAIカメラの開発に利用できるか、少し検討してみます。
クリエイター支援サイト
Patreon (海外)
もっとも代表的なパトロンサイトとされています。
海外を中心にアーティスト、ゲーム開発者、YouTuberなど幅広いクリエイターが利用。
月額課金モデルが基本で、支援者(パトロン)には会員限定のブログ記事やプロトタイプ公開、進捗報告、限定グッズなどを提供。世界的な知名度が高く、海外ファン獲得に強い。プラットフォームとして整備されており、運用ノウハウやツールも豊富。
ko-fi.com (海外)
こちらも海外のサービスです。メンバーシップの設定、リクエストの受け付け、コンテンツや作品の販売を行うことができます。
名前の通り、コーヒー代ぐらいの支援が調度いい(?)サービスかも知れません。
Patreonでモノを作ってるクリエイター
ゼロかと思ったのですが、意外といらっしゃいました。
レーシングシミュレーター向けハードウェア開発

カーレースのシミュレーションで使えるハンドルやペダルなどを開発されています。というか運転席を作っているようです。

作っては壊す系?
https://www.patreon.com/incamerafx
特撮のプロ集団の活動記録でしょうか。
最近は生成AIの進歩も目覚ましいですが、いわゆる特撮のプロが作っては壊す現実世界での映像を制作してくれるわけですね。

LiDARスキャナー

Raspberry Piを利用したLiDARスキャナーを開発されています。
GitHubに現在の開発状況などが公開されています。これはソフトウェアやアプリケーションのメンテナンスも視野にいれているものでしょうか。

ゴールがないのがゴール?
過去にクラウドファンディングも調査しましたが、大きな違いが見えてきました。

終わりのない活動の支援者となる
例えばリアルに田舎を開拓する取り組みをされている方がいて、日々の開拓状況を「お便り」として共有することで多くの支援者を集めています。
彼の場合はやりたいプロジェクトが別にあり、それに関連してご自身の田舎の祖父母(もしかしたらもっと上?)の土地を再開拓しており、そのゲームのような過程をSNSやYouTubeに投稿しています。あくまで他にやりたいことがあるようです。


3Dデザインや3Dプリント向けデータ制作クリエイターも盛況
3Dプリント可能なガジェットや業務用品などを制作しているクリエイターは多くの支援者を集められています。
例えば、3Dプリント可能なSFメカの3Dモデルを制作されている方もいます。

他にもボードゲーム向けの駒など、「シリーズもの」を提供している方が多いように思いました。
出口戦略があるならクラファン
改めて考えると、クラウドファンディングと似ているところがあります。
どちらも個人やコミュニティから資金を得る形であり、またプロジェクトを進めるにあたりアップデートなどを支援者に伝えたり、製品や特典などを支援者にリターンとして提供しています。
一方で、プロジェクトには予定期間があったり、製品の完成や完了判定がある点では違いがあります。クリエイター活動には終わりはないですし、支援者にとっても明確な終了タイミングというものはないのではないかと思います。
ゴールのないメンテナンスやクリエイティブな活動であればPatreonやko-fi.comは使いやすそうですが、製品を作りたいとか出口戦略を組めるような活動であれば、それはクラウドファンディングでやったほうが向いていそうです。